子どもの様子を見て気づいた。夏の疲労を軽くする親の心がけ
夏休みが始まって2週間ほど経った頃、妻が「和也の様子がおかしいよ」とぽつりと言った。
確かに、いつもなら朝食をしっかり食べる長男の和也が、最近は箸が進まない。
そして美幸も、帰宅後すぐに自分の部屋に行って、あまり出てこなくなっていた。
子どもたちの変化は小さいものだが、毎日一緒にいる親だからこそ気づけるものだと改めて感じた。
「これは夏の疲労が溜まってるんじゃないか」と妻が言う。
確かに、梅雨から初夏にかけての気温差や、部活動、学校の課題。
子どもたちも私たち大人と同じように、知らず知らずのうちに疲れているのだろう。
そこで妻が実行に移したのは、ごくシンプルなことばかりだった。
■ 小さな変化から気づいたこと
妻は毎朝、子どもたちが起床する30分前にカーテンを開けて自然光を入れるようにした。
また、夜間は室温を意識的に調整し、寝苦しさを軽くする工夫をしていた。
これまで私は「エアコンをつければいい」くらいにしか考えていなかったが、妻の話を聞くと、単に温度を下げるのではなく、子どもたちが自然に眠れる環境を作ることが大切なのだと気づかされた。
食事の面でも変化があった。
妻は無理に栄養価の高い食事を作るのではなく、子どもたちが「食べたい」と思えるものを意識的に用意した。
冷たい麺類、さっぱりとした副菜、水分補給を促すような飲み物。
「疲れているときは、親が『これを食べなさい』と決めるより、本人が自然に選べるようにしてあげた方がいい」と妻は言っていた。
■ 親ができることの限界と可能性
私は仕事の関係で日中は家にいないことが多いが、帰宅後に子どもたちの様子を見ていると、妻の工夫がどれほど効いているのかが分かる。
和也は食事の時間に「最近、朝が楽になった」と話していたし、美幸も部屋から出てくる頻度が増えていた。
親ができることは、実は大きなことではなく、小さなことの積み重ねなのだと感じる。
子どもたちの疲労を完全に消すことはできないが、その負担を少しでも軽くしてあげることはできる。
そのためには、子どもたちの細かな変化に気づき、その原因を考え、小さな工夫を重ねることが大切なのだろう。
新渡戸稲造の『武士道』には「親の務めは子を守ることにあり」とも読める一節がある。
物理的な危険から守るだけでなく、心身の疲労から守ることも、また親の大切な役割なのだと、子どもたちの様子から改めて学ぶことができた。
夏はまだ続く。
妻と一緒に、子どもたちの小さな変化を見守り、その時々に必要な工夫を重ねていきたいと思う。
いつもこのような気づきをくれる妻と、素直に親の工夫を受け入れてくれる子どもたちに、感謝です。


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