夏の疲労を回復させる家族の過ごし方。妻の提案で気づいたこと
九月に入ったというのに、朝起きるのがやたらと辛い。
営業で外を回る日が多かった夏。
気温の変化に体がついていかないのか、帰宅後はソファにへたり込むばかり。
妻の里美は、そんな私の様子をじっと見ていた。
「ねえ、家族みんなで何もしない時間を作ってみない?」
おっちょこちょいな私は、その言葉の意味を最初、よく理解できなかった。
何もしないって、ゲームもテレビも見ないということなのか。
正直、そんなのつまらないと思ってしまった。
でも里美は続けた。
「疲れているから、余計に何かしたくなるんだと思う。
でも本当は、脳も体も休ませる時間が必要なんじゃないかな」と。
その週の日曜日。
和也と美幸も交えて、リビングに集まった。
特に予定を立てず、ただ家族で同じ空間にいる。
和也は本を読んでいるし、美幸は何かスケッチを描いている。
里美はお茶を淹れてくれた。
私は窓から秋の風を感じながら、ぼんやりしていた。
その時、初めて気づいた。
夏の疲労を回復させるって、何か特別なことをすることじゃなくて、こういう「何もしない時間」の中にあるのかもしれないということに。
翌週からは、週に一度、こうした時間を意識的に作るようにした。
生活リズムも少しずつ秋に向けて調整している。
朝も以前より起きやすくなった気がする。
武士道では「心の静寂」の大切さが説かれている。
正直者の私が言うのも何だが、疲れた時こそ、静かに家族とともにある。
それが一番の回復なのだと、今ようやく腑に落ちた。
こんなシンプルなことに気づかせてくれた妻と、その提案を受け入れてくれた子どもたちに、心から感謝している。

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