秋の生活リズムを整える家族の工夫。夏の疲れから脱却した朝の時間
朝5時半。
いつもより15分早く目が覚めた。
窓からこぼれる光の質が変わっている。
夏のギラギラした日差しではなく、秋の柔らかな光だ。
妻の里美はまだ寝ているが、その寝顔も何となく落ち着いて見える。
夏の間、家族全員が夜更かしぎみで、朝も遅くなっていた。
気づけば9月も半ばを過ぎ、ようやく秋らしさが感じられるようになった今、「そろそろ生活リズムを整えないと」と思い立ったのだ。
実は、里美から先週こんなことを言われていた。
「あなた、最近朝の準備が遅いじゃない。
和也だって美幸だって、夏の疲れが残ってるんじゃないかな」。
おっちょこちょいな私は、つい「大丈夫だよ」と返していたのだが、改めて見直してみると確かにそうだ。
17歳の長男・和也は朝のニュースを見る時間がなくなり、14歳の美幸は朝食を急いで済ませている。
これでは秋への心身の切り替えができていない。
そこで思い立ったのが、朝の時間を30分前倒しすることだった。
いわば家族全体で「秋の生活リズムへの移行期間」を作ろうということである。
まず私が先陣を切って、毎日5時半に起床することにした。
すると不思議なもので、朝の準備に余裕が生まれた。
朝日を浴びながら、新渡戸稲造の『武士道』を数ページ読む時間さえできた。
二日目、その様子を見ていた和也が「親父、朝早いな」と声をかけてきた。
「秋だからな。
体を秋に合わせるんだ」と返すと、彼も翌日から一緒に早起きするようになった。
美幸は里美に促されて、朝食時に家族と顔を合わせる時間が増えた。
すると家族の会話が自然と増え、朝の雰囲気がガラッと変わったのだ。
週末、里美が朝のコーヒーを淹れながら「いいことに気づいたね」と笑った。
「何が?」と聞く私に、「みんなが朝を大事にするようになったってこと。
秋はこういう工夫が必要なんだよ」と返ってきた。
正直で素直な妻の言葉に、私は改めて気づかされた。
秋の生活リズムを整えるのは、特別な何かではなく、朝という小さな時間を家族で共有することなのだと。
今朝も5時半に目が覚めた。
窓の外は薄紫色だ。
夏の疲れはまだ少し残っているかもしれないが、秋の朝は、家族みんなの体と心をそっと整えてくれているような気がする。
この小さな工夫が、これからの季節をどう変えていくか、楽しみに見守りたい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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