衣替えのタイミングと家族の体感温度。秋から冬への準備を始めた理由
朝、玄関で妻の里美が首をかしげていた。
「あ、ごめん。
クローゼット整理してたら、秋物がどれだけ出すべきか迷っちゃって」。
10月中旬、まだ日中は暖かい日が続いているのに、衣替えの話が出ている。
実は我が家では毎年、この時期に衣替えをめぐる小さな議論が起きるのだ。
理由は単純。
家族4人の体感温度がまるで違うからである。
里美は冷え性で、9月終わりには既に薄手のセーターを引っ張り出している。
一方、高校生の和也は半袖で十分だと言い張る。
中学生の美幸は「お母さんとお父さんの中間くらい」と、実にバランス感覚がいい。
そして私というと、気温より湿度で判断するおっちょこちょいぶりを発揮してしまう。
今年は里美が早めに動いたおかげで、我が家の衣替え計画が見える化された。
彼女は10月上旬から、タンスの中身を少しずつ入れ替え始めていたのだ。
「完全に冬物に切り替えるんじゃなくて、秋物と冬物が混在する時期を作るのがコツ」と説明してくれた。
なるほど。
確かに、朝は寒くても昼間は日が差すこの季節、家族が別々の服装を選べる環境があると、誰も無理をしないで済む。
和也に聞いてみると「学校では半袖の人もいるし、パーカーの人もいる。
別に衣替えの日を待ってないよ」とのこと。
美幸は「でも朝の通学時間は冷えるから、羽織るものがあると助かる」と、実用的な視点を持っている。
こうした家族の声を聞いていて気づいたのは、衣替えのタイミングは、実は気温や季節より「その人の体感温度」で決めるほうが、家族全体がストレスなく過ごせるということだ。
クローゼットに秋物と冬物が混在している状態を、私はこれまで「片付いていない」と感じていた。
でも本当は、家族の多様な温度感に対応した、柔軟な準備だったのかもしれない。
来週、衣替え用の収納グッズを見直そうかと思っている。
秋から冬への準備は、完璧なタイミングを待つのではなく、家族それぞれのペースを尊重することから始まるんだな。
そんなことを感じた今年の秋である。
読んでくれてありがとう。

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