月は何時に見える?スマホで調べたら前日の表を読んでいた私の失敗
「今日の月、何時に見えるかな」。
夕飯の片付けをしながら、私は独り言のように口にした。
すると台所のテーブルで宿題を広げていた美幸が、ノートから顔を上げて言った。
「お父さん、それ昨日の時間じゃない?」
私は思わず手を止めた。
昨夜スマホで月の出の時刻を調べたとき、表の一番上にあった数字を今日の時間だと思い込んでいたのだ。
よく見ると日付は前の日のものだった。
おっちょこちょいの私らしい勘違いである。
「ちゃんと日付を見ないとだめよ」と、洗い物をしていた里美が笑った。
パートから帰ってきて疲れているはずなのに、里美は手際よく鍋を片付けていく。
そういう落ち着いた姿を見ると、家の中が自然と整っていくのを感じる。
■ 娘が示してくれた確かめ方
美幸は自分のスマートフォンを取り出し、天気と天文の情報を並べて確認し始めた。
「月の出は日によって少しずつずれるから、今日の表で見てね。
ここ」と画面を向けてくる。
細かい数字を落ち着いて読み上げる姿は、14歳とは思えないほど頼もしかった。
私は素直に「ありがとう、助かった」と頭を下げた。
正直に言えば、少し格好が悪い。
でも、間違いに気づけたのは幸運だったと思う。
リビングの奥では、和也が階段を上がる足音がしていた。
17歳の長男は、最近さりげなく家族の段取りを気にかけてくれるようになった。
結局、その夜は空に雲が多く、月の姿ははっきりしなかった。
美幸は「雲があったら仕方ないね」と言いながら、ベランダの窓を少しだけ開けて空をのぞいていた。
私も窓際に立ち、月がありそうな方角を一緒に探した。
見えなくても、家族と同じ空を見上げるのは悪くない時間だった。
文房具の営業をしていると、資料の日付や数字の見落としは本当に怖い。
私は手帳の端に「月の出は日ごとに確認」と書き込んだ。
前日の表を今日だと思い込むのは、きっと誰にでもある小さな落とし穴なのだろう。
月を眺めようと思ったら、まず日付と地域の表示を確かめてみてください。
思っていたより時間がずれていることもありますよ。
最後まで読んでくださってありがとうございます。


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