敬老の日、祖父母と過ごす時間の工夫。妻に学んだ小さな配慮
敬老の日が近づくたび、妻の里美は早めに祖父母との時間をどう過ごすか考え始める。
今年も「どうしたら楽しく、疲れさせないか」という話をしていたのだが、聞いていると私が見落としていた細かい工夫がいくつもあることに気づかされた。
先週末、妻と長男の和也、次女の美幸と一緒に祖父母の家を訪ねた時のことだ。
玄関に着くと、里美は靴を脱ぐ前に祖母に声をかけていた。
「お義母さん、今日は座ったままでいいですよ。
私たちが動きますから」と。
高齢になると、来客があると気になって動き回ってしまうらしい。
そういう気遣いが疲れを招くんだと、その時初めて気づいた。
居間に通されると、里美はさっと座卓の近くにクッションを用意していた。
「腰が楽な方がいいでしょ」と祖父に勧める。
祖父は最初は遠慮していたが、使ってみると「ああ、これはいいな」とほっとした顔になった。
こんなことか、と思いながらも、その小さな配慮で祖父母の表情が違うことに気づいた。
話題選びも工夫されていた。
美幸が高校の話を始めようとすると、里美は「そういえば、お祖母さんの若い頃の話、聞きたいんですよ」と話題を変えた。
祖父母が話す側に回ると、自然と笑顔が増える。
聞き役に徹することで、祖父母が主役になるようにしていたのだ。
帰る時間も決めていた。
「疲れさせないように」と里美は事前に祖父母に「3時間くらいでお暇します」と伝えていたという。
長すぎず、短すぎず。
その時間の中で充実した時間を作ることが大事だと、妻は考えていたらしい。
敬老の日は祖父母を敬う日だけど、本当の気遣いって、相手の体調や気持ちを想像することなんだと、あらためて感じた。
妻のそういう姿勢を見ていると、武士道で言う「思いやり」の大切さがようやく腑に落ちる気がする。
今年の敬老の日は、私も妻のやり方をちゃんと見習おうと思っている。
読んでくださり、ありがとうございました。

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